よろめく素人の小言。

ふわっと、ふらっと生活を。

小説の魅力。

 

タイトルで小説と言い切ったけど、文章なら大半に通じて思う、言葉だけだからこその魅力を書きたいと思います。

朝4:26。眠いです。

 

僕が思う一番の魅力は、

『読み手によって解釈や情景が大きく異なる』ことだと思う。

「白い自転車。ー並んで停泊している漁船の、集魚灯や無線アンテナの向こうに見える海沿いの道を。左から右に進んでいく。」ー道尾秀介/球体の蛇 より抜粋。

急だが、この一文を読んでどんな風景を想像しただろうか。

僕は、宮城県塩釜市、松島市辺りの港沿いの通りに似た景色を、少し美化したようなありもしないだろう景色を想像した。

続いて、

「練習を終えたらしい別のバンドが、奥のブースから賑やかな声を交わしながら出てくる。まだ高校生くらいだろうか。ー(省略)ー幼いミュージシャン達は口々にカウンターに向かって挨拶をし、待合いスペースのテーブルを囲んだ姫川たちの脇を過ぎてった。」ー道尾秀介/ラットマン より抜粋。

また道尾秀介とか思った奴。ご名答!その通りです。異論は認めません。

ところで、この文を読んで今度はどんな風景を描いたろうか?

今回はバンドスタジオという舞台であるからして、想像しにくい人もいるのではないだろうか?

僕は吉祥寺にあったMikellzというスタジオをまんま当てはめた。

 

二つ例を並べたが、読み手が各々描いたものが同じということは絶対にない。言い切る。絶対だ。

仮に、場所が同じだったとしよう。スタジオの例で話す。

10人が皆、奇跡的に同じスタジオを想像したとしよう。

だが、この時各々が一致してるのは場所だけだ。

どの角度の視点から見ているだろう。

誰を想像してるだろう。

人物の顔、表情。

コントラスト。

焦点。細かい物の内容、場所。

細かい描写全てが一致することはありえない。

言い換えれば、誰とも同じベクトルで共有することができない。

絵を書いたり、映像にすれば話は別だが、それ以外の手法で他人と同じ情景を共有できないのだ。

「僕は〇〇の△△からの視点で、そこには✕✕と□□がいて…」

と、自分の描写を口頭や文面で表しても結果は変わらない。それを受け取った側の中で、また別の描写が浮かぶだけだ。

だが『それこそが、小説の魅力の内である』と、僕は思う。

 

自分だけの世界だ。

書き手が提示した色々なパーツを基に読み手自身がそのパーツで小説の世界を構築していく。そう言われると面白くないだろうか?

書き手にすら分からない世界が広がっていく。もしかしたら書き手が描いた景色よりも精密で、素晴らしい世界を読み手が構築してるかもしれない。

 

でも、映像や絵の場合ならどうだろう。

どちらも僕は嫌いじゃない。

が、双者ともに受け取る側はその映像等に映されたままの世界をその作品の世界として受け取る。それが醍醐味の一つだから否定はしないが、悪魔で小説と比べた時にだ。

僕は、自分で想像する方に魅力を感じた。

 

しかし、想像というのは素材が必要だ。

素材というのは、書き手の表現だったり、一番大きいのは読み手の経験だ。

スタジオの例をまた使うが、バンドスタジオに行ったことがない人がその風景を一から構築するのはなかなかに難しい。

内モンゴル自治区の人がイタリアの洒落た海沿いを想像しても歪になるだろう。馬鹿にはしてないよ。

何が言いたいかというと素材が少なければ少ないだけ、想像した世界も貧相になる。

素材が多ければ多いだけ、想像も広がるし精密に豊かになるだろう。

 

世界を旅した知識人が想像した情景は相当に美しいだろう。

ほら、こんな事を書いていたら旅をしたくなってきた。

知識を深めたくなってきた。

いい事づくしだ。

 

こんな風に文字だけだからこその大きな魅力があると僕は思っている。

更に加えるなら、

「小説は何度読んでも新しい」

と、どこかで聞いた記憶があるがまさにその通りだと思う。

時間を重ね、年をとれば、人は相応に色んな経験を積む。

それが素材となって、いつか読んだ小説のいつか想像した世界に新しい彩りや感情を加えていく。

そしたらそれは、全く別の世界だ。

極端なことを言えば、浅草でもんじゃを食べていた主人公がイギリスでフィッシュアンドチップスを食べてるような。

うん、なんか違うね。

 

区切りが良さそうなので今回はここまで。

また書くかもね。

 

皆、本読もうぜ。

面白いよ本の世界は。

読み手次第でどうとでも変わる。

道尾秀介がオススメだよ。道尾秀介

さぁ本屋へ行こう。

 

 

最後は小説的世界感のバンドの曲で締めようね。

 

 

アディオス。

 

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※この記事は以前のブログで書いた記事の一部です。

ブログ変更の際に新しいこちらのブログで再投稿しました。

※2017年6月22日 一部改変。