よろめく素人の小言。

ふわっと、ふらっと生活を。

何もかも無かった事にしたい。

 

深夜2時。明日も朝から仕事なのに、寝付けない。

一日が頭の中を駆け巡って僕を虐めてくる。

瞼を落としても、好きな音楽を聴いても、消えない過ち。

また、僕は罪を犯した。

取り返しのつかない罪を犯した。

布団にくるまり現実から目を背けるように、夢の世界に行こうとする。

でも、目は冴えていくばかりで精神は悪化する一方だ。

耐えられなくなり、飛び起きて飢えたように煙草に火をつける。

15mgの毒が体を駆け回って肺と心を汚して行く。

いつもより強く吸っても、喉が痛くなるだけだった。

 

外でサイレンの音が鳴っていた。

急に近づいてきて、一瞬で去っていく。

この憂鬱も同じようなものならどれだけ楽だろうか。

 

ニコチンが効かないなら、アルコールで誤魔化そう。

そう思った時に限って冷蔵庫には酒は不在で隣のコンビニまで行くハメになる。

上着をはおり缶ビールを2本買ってきて、また飢えたように飲み干す。

今度は8%の毒が脳と肝臓と心を殺していく。

少し視界がクラついた。

 

…それでも、憂鬱も過ちもまだ平然とそこに居座ってやがる。

 

どうしたらいい…どうすればいい…

打開策を考えようと頭を動かそうとするが、皮肉にも先刻のアルコールで頭が上手く回らない。

 

どうしようもないなと深い溜息をついた。

その瞬間僕の視線はいつも使うリュックに向いていた。

 

「……そういや、あれがあったなぁ…。」

リュックの中には数時間前、仕事帰りに職場から駅までの裏道で入手した「奴」が入っている。

奴というのも、今巷で密かに話題になっている例のブツだ。

入手こそ簡単なものの、手を出せばその作用の強さに依存してしまい抜け出せなくなる人達がここ最近尋常ではない数居るらしい。

同じようなブツに比べて多少値が張る代物だ。

内心、何度か服用を考えたが、依存の恐怖に少しおののき、手を出せずにいた。

だが、疲労と犯した罪の罪悪感に駆られていた僕は数時間前ついに奴を買ってしまっていた。

 

此処で飲めば楽になれる。

そう誰かが耳元で囁いてる気がした。

 

ゆっくりとリュックに伸びる手を止める理由は僕の中にはもうなかった。

 

「はぁっ…はぁ…」

気がついたときにはそいつはもぬけの殻になっていた。

空の容器を片手に僕はこの上ない、爽快感と満足感を得ていた。

これで、やっと僕の罪が洗われた気がしたんだ。

 

空の容器をテーブルにそっと置き、僕は眠りについた。

 

明日からだって、何度だって、何度罪を犯しても僕はそれをチャラに出来る代物を手に入れたんだ。

僕は気づかぬ間に奴に染まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食べ過ぎたその過ちに。

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※この記事は以前のブログで書いた記事の一部です。

ブログ変更の際に新しいこちらのブログで再投稿しました。